一般社団法人 日本古琴振興会 〒141-0032 東京都品川区大崎4-2-2
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イベント報告

2018年

9月22日(土)~24日(月祝) 伊豆合宿(静岡県沼津市井田)

9月といえば合宿…が恒例となって3年目。
今年も昨年に引き続き、西伊豆・井田の民宿「やまに」で合宿を開催いたしました。

今年はお天気にも恵まれ、朝に夕に何度となく歩いてすぐの浜辺に出掛けては、海の向こうに頭を出した富士山を拝んだり、無人販売スタンドのみかんや新米、梅干しを買い物したりと楽しむことができました。

もちろん一番の目的は琴のお稽古です!
10月6日の千葉県一宮町・正法山明法院での演奏会を目指し、「慨古吟」と「神人暢」2曲に分かれて合奏の練習に励みました。

2日目には、駿河湾越しに臨む富士山の絶景で名高い大瀬崎へ。
青く明るい海には大勢のダイバーたちが集っていました。
ビャクシン樹林は国指定の天然記念物となっており、中でも樹齢千五百年を越える老古木は威厳に満ちていました(写真のみんなの表情を参照)。

楽しそうなダイバー達に触発されたのか、その夕方の散歩では思わず海に入るお二人の姿も!時はちょうど黄昏。秋の夕空がとても綺麗でした。

「やまに」のご夫婦手作りの、毎回机いっぱいに並ぶ海鮮料理の数々は本当に美味しく、それだけでも来た甲斐があるというものです。

今年の中秋節は9月24日、ちょうど合宿の最終日に当たりました。
前夜の晩餐は、民宿の前庭に並べたテーブルで、美しい月を見上げ、虫の声に耳を傾けながらの心地よいひとときとなりました。

山に囲まれ、田んぼが広がる、穏やかな海辺の町の静かな夜でした。

6月30日~7月1日 「観て、触って、聴いて楽しい 第三回和楽器展示会」参加(東京都中央区)

一般社団法人日本和楽器普及協会が主催する第三回和楽器展示会に出展・演奏での参加をしました。
場所は、東京駅八重洲口からほど近い京橋エドグラン。
鼓や三味線、横笛、尺八などの和楽器や和風小物販売などのブースに混じり、古琴二張を設えて自由に触れていただく形での出展と相成りました。

お客様はやはり和楽器の関係者がほとんどでしたが、「篠笛立平」のブースで行っていた新素材篠笛の先着プレゼント(学生限定)には若い学生さん達の長蛇の列も見られました。
また、出展されている和楽器職人さん達は親子二代での参加も多く、和楽器もまだまだいろいろな可能性があるのだな、と感じられました。

古琴のブースに立ち寄って熱心に話を聞いてくれたり、座って弾いてみたりしてくれたのも、若い方々が多かったのは嬉しいことでした。
一昨年の楽器フェアに参加したときに、若い男性が古琴を「クールな楽器」と表現してくれたのが心に残っているのですが、今回も若い女性に「スタイリッシュですね」と言っていただきました。

会場では、あちこちから篠笛の音色や創作和楽器の即興演奏が聞こえてきます。
お隣の「三味線の三春屋」では、三味線の職人でもある親方が弾く迫力ある津軽三味線や、粋な夏着物のお姉さんの地歌の演奏も素敵でした。
店頭には色とりどりの根緒やスパンコールを使ったキラキラの駒も並び、カスタマイズする楽しさがあるのが新鮮でした。

また、「鼓久」のブースには、美しい漆に螺鈿を散りばめた小鼓の胴がずらり。
古いものでは鎌倉時代のものもあり、博物館のような見事さです。
皮を抑える黒い枠飾りもくっきりと美しい。
和楽器の楽しさ、美しさを改めて見直す楽しい経験となりました。

2日目午後の30分のステージでは、古琴と琴曲についての話も交えながら、古琴の演奏を楽しんでいただきました。披露したのは3曲。
本堂明恵さん「双鶴聴泉」、馮欣さん「碧間流泉」、鎌田嘉之さん「平沙落雁」です。
静かで落ち着いたラウンジにゆったりと流れる音色はとても奥ゆかしく、古琴らしい魅力を伝えられたのではないかと思います。

6月17日(日) 獅子王山妙法寺 奉納演奏(佐賀県唐津市)

毎年秋に演奏会を催していただいている千葉県一宮町の正法山明法院。
その総本山が佐賀県唐津市にある獅子王山妙法寺です。

妙法寺では、毎月17日をご本尊である吉祥弁財天龍王様の恩日と定め、法要を執り行います。
法要の後の夕べに本殿で演奏されてはいかが、と、明法院の秋場ご住職のご厚意によりお誘いいただき、武井先生と三浦の美女コンビでお参りしてまいりました。

法要の後に残られていた信者さんや、お上人様など10名ほどに温かく見守られる中、美しい吉祥弁財天龍王様のお前立ちの図を前に演奏させていただきました。
演奏したのは「神人暢」の合奏の他、「流水」「荒城の月」など。最後は「ふるさと」を一同で唱和し、30分ほどの小さな演奏会を終えました。

単線の唐津線で岩屋という無人駅に降り立ち、さらに山里に入った辺りに穏やかに広がるお寺ですが、宿坊やカフェ、湯治のための温泉もあり、心がほどけていくのを感じました。
1960年建立という比較的新しいお寺ですが、創建当時には秋場ご住職たち住み込みの修行僧たちが土木作業に明け暮れ、自らの手で切り開いていった寺社なのだそうです。
宮大工と一緒に組み上げたという建具も美しく見事なものでした。

そして、おまけの話。
帰りに寄った佐賀城本丸歴史館では、二人で大きな琴のケースを背負っていたところ、ボランティアの方に「演奏しませんか」とお声をかけていただきました。もちろん、事前申請無しでは許可されなかったのですが、ぜひまたご縁があるといいな…と名残惜しく思いながら、九州を後にしました。

6月16日(土) 「2018ミュージックテクノロジー教育セミナー in 九州」(熊本県大牟田市)

3月に茨城県で開催された「ミュージックエデュケーションメッセ in KANTO」に武井欲生先生と呉本舜さんが参加された時のご縁により、九州でのセミナーにも武井先生と呉本さん、三浦が参加しました。

今回は古琴の講座はありませんでしたが、ほんの少しだけお時間をいただき、日本古琴振興会について紹介させていただきました。
その際、武井先生が筑紫箏の筝曲から打譜した「帰雁」の一節を山水画の画像と共に上映したところ、音楽教育関係者が中心の出席者の方々は、とても興味を持ってくださいました。
近世筝曲の始祖とも言われる筑紫箏を完成させた浄土僧・賢順は、もともと琴を学び、そこから作り出した筝曲が筑紫箏なのだとか。
その舞台となった地、九州でご縁が巡るのも面白いことですね。

「風雅な和文化」協催(スペイン)

風雅な和文化

スペインのサラマンカは、その旧市街地全体が世界遺産として登録されている美しい街です。
中世の教会や大聖堂、スペイン最古の大学であるサラマンカ大学(コロンブスも学んだとか)など、凝った彫刻を施した石造りの建築群が立ち並ぶ旧市街を歩いていると、まるで中世にタイムスリップしたかのように感じられてきます。

サラマンカ大学内の日西文化センターには日本語のクラスもあり、スペインの若い学生さん達が学んでいます。 現代の日本のカルチャーに対してはもちろんですが、伝統的な和文化に対する関心も高く、茶道(お抹茶)の表演も何度か開催され好評を得ているようでした。
そんな中で、幸せなご縁が実を結び、古琴と煎茶道を「風雅な和文化」として紹介させていただく貴重な機会をいただきました。

2018年は日本スペイン外交関係樹立150周年に当たり、周年記念事業としての認定も外務省から頂くことができました

5月30日(水) スペイン・サンタマルタ町調理専門学校

初日の5月30日には、サラマンカ近郊の「サンタ・マルタ・デ・トレス町立調理学校」で、ミニ版「風雅な和文化」を開催させていただきました。

同調理学校は、調理だけではなくサーブも教育課程に組み込まれており、また、16年間に渡り隔年で「日本週間」の開催を続けています。
その「日本週間」第八回目のオープニングとして、古琴の演奏と煎茶席の表演をさせていただきました。

当初30名程度のお席しか用意されていなかったにも関わらず、実際には60名を越えるお客様にお集まりいただきました。

煎茶席の裏側では、きめ細かにサポートもしていただき、終了後にも学校長と相席させていただきながら、同校の生徒さん達が手料理をふるまってくださるという温かなおもてなしを頂戴しました。

短い時間の訪問でしたが、サンタ・マルタ・デ・トレスというスペインの小さな町と日本とのご縁がこれからも豊かに編まれていくことを、そして同町立調理学校のさらなる発展を願ってやみません。

古琴演奏曲 : 「神人暢」「流水」
煎茶席   : 冷茶(新茶)と干菓子(羽さぬき)
 

5月31日(水) スペイン・サラマンカ大学 演奏交流会

翌5月31日は、サラマンカ大学日西文化センターを会場としての「風雅な和文化」開催です。
満席の76名のお客様にとっては、ほとんどが古琴という楽器を目にするのは初めてだったかと思います。そんなスペインの方達が、古琴の音色をどう受け止めてくださるのか。

演奏が始まってみると、時にはかすれるような古琴の静かな音色にじっと耳を傾け、聴いている方々の「静かな熱意」のようなものがひしひしと伝わって来ました。
いただいた拍手もとても温かく、幸せな時間をむしろ贈っていただいたように感じられました。

イベントの大枠のテーマは、初夏という季節を鑑み、「水」としました。煎茶席の掛け軸には「山水画」を、盛物では水辺の景色を表現しました。

煎茶席のお正客5名を募ったところ、たくさんの方が手を挙げてくださり、じゃんけんで若い方々にお座りいただきました。
真剣な面持ちで礼を重んじてくださり、そこにも繊細で美しい空間が現れていました。

ご参加いただいたお客様達が、帰り際に並んでまで記入してくれた感想ノートには、「繊細さ」「心地良さ」という言葉が多く書き残されていました。
そう感じ取って下さるスペインのお客様達の感受性の豊かさ、温かさがあってこその交流会の成功だったと思います。
心から感謝するとともに、スペインと日本の交流がさらに深く豊かに広がっていくよう祈ります。

古琴演奏曲 : 「風入松」「良宵引」「神人暢」「碧間流泉」「流水」
  アンコール「サクラ」「アマポーラ」
煎茶席 : 冷茶(新茶)と和菓子(招福菓「茄子」/干菓子「羽さぬき」)

2018「琴心合契」共催(中国・江蘇省)

日付 プログラム 場所
5月6日(日) 開幕式 南通博物苑
古琴文化交流演奏会 南通市少年宮ホール
5月7日(月) 古琴文化交流学術講座 ① 南通博物苑
古琴文化交流学術講座 ② 南通大学芸術学院
古琴文化交流琴茶雅集 玄元堂・天倪琴館
5月8日(火) 仏教とお茶の交流会 南通市・太平禅寺

こうしてプログラムを並べただけでも、その盛りだくさんな様子は伝わるかと思います。

昨年、南京市で開催した「琴縁四海」の好評を受け、南通市の博物苑でも古琴を巡る展示・表演をしましょう、というところから始まった企画「琴心合契」。
中国側の主催者のご尽力もあり、とても盛大なイベントとなりました。

どの企画もたいへん熱気ある中で行われ、WEBを駆使しての宣伝・報道など関心の高さを感じ取れました。
また、南通市は学生の多い街で、若いお客様が多かったことも印象的でした。

どのイベントも「古琴文化交流」というタイトルを冠していますが、中国の関係者の方々のサポートはとても手厚く、感謝の念に堪えません。
下記にご紹介する写真から、その様子をご想像ください。

なお、本企画につきましては、外務省在上海日本国領事館の後援名義の使用許可、および日中国交正常化45周年・日中平和友好条約締結40周年行事認定をいただきました。

開幕を前に(5月5日 南通博物苑)
いよいよ開幕です。
南通市博物苑館長の杜嘉楽氏と共に。
館長さんには博物苑をご案内いただいたり、細やかに心配りいただき、たいへんお世話になりました。
開幕式の後に(5月6日 南通博物苑)
梅庵派の王永昌先生を囲んで。
開幕式には、南通市政府の要人の方々も列席されました。
インタビューを受ける高先生(5月6日 南通博物苑)
メディアの取材も入り、賑やかな開幕となりました。
開幕初日(5月6日 南通博物苑)
開幕初日には、博物苑の展示室で古琴(武井欲生)と尺八(菅原久仁義)による演奏が披露されました。
音がとてもよく響き、菅原先生の演奏にも熱がこもっていました。
「琴心合契」古琴文化交流演奏会(5月6日 南通市少年宮ホール)
縁ある古琴演奏家による演奏会。
武井先生(古琴)と菅原先生(尺八)による「杏花天影」は圧倒的な迫力でした。
古琴文化交流学術講座①(5月7日 南通博物苑)
菅原久仁義先生による尺八の体験講座。
菅原先生の尺八演奏に中国のお客様達はぐっと心を掴まれた様子で、講演の終了後には、サインを求める若い方々の長蛇の列が。
古琴文化交流学術講座②(5月7日 南通大学芸術学院)
日本古琴振興会の顧問をお務めいただいている稗田浩雄先生と王永昌先生による琴学講座が開催され、100名以上の参加者が聴講しました。
また同日、南通博物苑のホールでは、武井欲生先生も「宇津保物語」について紹介しました。
日本の煎茶道と古琴のコラボレーション(5月7日 南通市天倪琴館)
日本礼道小笠原煎茶道師範の相原巳風先生の美しいお点前に、約40名のお客様が熱心に見入っていました。
南通市太平禅寺(5月8日)
文定大和尚様を囲んで。
千葉県一宮町の正法山明法院の秋場日信ご住職のお点前で、禅僧の皆様にお抹茶を楽しんでいただきました。

4月16日(金) 隅田川屋形船で交流演奏(東京都品川区)

当会には、中国在住の海外会員の方も在籍されます。
今回、そのお一人がお住まいの温州から14名のお客様をお招きして、隅田川の屋形船で懇親会を開催しました。
お客様たちに日本らしい風情をお楽しみいただこうと、古琴の交流演奏と煎茶道の表演の宴となりました。
当日はあいにくの雨の上、春の嵐のように風も強い日でしたが、舟は予定通り品川を出帆。
ただし、エンジン音を避けるため、流れに漕ぎ出す前に古琴演奏が始まりました。

お客様の中にも古琴を弾かれる方がいて演奏に参加して下さり、いっそう場が和みました。

日本礼道小笠原流煎茶の相原美風先生の煎茶のお点前にはお客様も興味深々で魅入っていました。
舟の中という空間で、お茶のお道具も限られる中、ゆったりと淹れていただいたお茶を皆で味わった後、いよいよ出航です。
隅田川の桜もすっかり散った後ではありましたが、雨に滲む東京の夜景も綺麗でした。

「船清」さんは、一品一品その場で揚げて提供してくれる天ぷらが評判です。
今度は、会のみんなでひとときを過ごす機会があったら素敵だな、と思いました。

3月31日 第四回日中文人交流会「音の絵草紙」主催(東京都・台東区)

毎年桜の季節に開催している上野の東京国立博物館・応挙館での交流会は、今年で四回目となりました。
今年の桜前線はとても急ぎ足で、一週間前には上野公園のソメイヨシノもほぼ満開となり、むしろ花が散ってしまうことの心配をするほどでした。
しかし当日は穏やかな日差しにも恵まれ、ひらひらと花吹雪の舞い込む中での和やかな演奏会となりました。

毎回趣向を変えていろいろな和文化との交流を試みてきましたが、
今回は、高先生のご友人でもある、サンドアーティストの蔡暁華さんと一緒にやってみたい、というところから企画が始まりました。

蔡さんが台の上に描き出す風景を、プロジェクターで大きく映し出した画面で見守ります。
音の移ろいに合わせて、砂絵の描く世界も刻々と変化していき、一瞬としてとどまることがありません。

セピア色の風景が小さいところから少しずつ、あるいはざっと一気に変わっていく様子にすっかり魅入ってしまいました。

中国からお招きした四名の琴士たちの演奏はそれぞれの個性がとてもよく現れており、孫海濱さんの「広陵山」などは迫力で惹きつけるとともにパフォーマンスも面白い表現をされていました。

尺八のお二人、昨年の草加市での演奏会でお世話になった林鈴麟先生と玉城盛童先生は、「鹿の遠音」で山深く鳴き交わされる鹿の声音を切々と聴かせてくれました。

また、初の試みとして古琴についてのミニ講座を企画しましたが、琴の構造が陰陽五行六合の思想に基づくというお話は、和文化に造詣の深い方ばかりだったお客様たちには、とても興味深いテーマだったようです。

演奏された社中の皆様の曲目には春らしい曲が並び、交流会の雰囲気を麗らかに彩ってくださいました。
砂絵と共演した「玉楼春暁」には横笛の音色も加わり、障子戸の外に舞う花吹雪のもと、まさに春爛漫のひとときでした。

50名を越えるお客様にご参加いただき、盛況のうちに交流会を終えることができました。
ご来場いただいた皆様、またご支援ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。
また来年も、桜のもとにお会いできますように。

3月17日~18日 「ミュージックエデュケーションメッセ in KANTO」参加(茨城県・大洗市)

茨城大学教育学部の田中健次教授のご紹介により、茨城県大洗市で開催された「ミュージックエデュケーションメッセ in KANTO」に高欲生先生と呉本舜さんが参加されました。

音楽家教育に携わる先生方が一同に会し、これからの音楽教育について考え、語り合うセミナーです。
高先生と呉本さんは、「楽器のルーツ『古琴』の鑑賞と解説」と題し、古琴の紹介と、水にちなんだ数曲を披露しました。

約80名の音楽教師の方々が聴講されましたが、古琴という楽器を知ってはいても、本物の楽器を目にし、音色に耳を傾けるのは初めて、という方ばかりでした。
とても興味深く、そして心を動かされた、という感想が寄せられて、手応えをつかむことのできた二日間だったようです。

    1. 楽器のルーツ『古琴』の鑑賞と解説①
    1. 楽器のルーツ『古琴』の鑑賞と解説②

2月20日~21日 「2018中國古琴春晩」出演(中国・江蘇省張家港市)

春節明けの旧暦5日と6日に当たる2月20日(火)、21日(水)、
中国江蘇省張家港市において、「2018中國古琴春晩」が開催されました。

複数の会場で多くの琴人が演奏を披露する音楽会に、高欲生先生も出演されました。